実行委員ブックリレー5

この本も積読の中から。
書店で装丁に惹かれてしまい、一発で買ってしまった本。
作者が作者なのだから、装丁に惹かれるのは当然かもしれませんが。


吉田篤弘「うかんむりのこども」(2013、新潮社)


子供の頃から図書館に通いつめては本を読んでいましたが、辞典も好きになったのはいつだろう。おそらく授業で使うようになってからだろうか。
漢字辞典なんかも好きで、ぺらぺらとめくってはなるほどなるほどと思ったりしていました。


「うかんむり」と書名にあるとおり、漢字、文字に関するエッセイ集。
女が三人集まると「姦しい」なんていうのはよく知られていますが、登場人物である女性が三人出てきて、わいわいがやがや話して「姦しい」に行きつく。けれど、そこで終わるわけではなくて、そこからどんどん違う漢字にも派生していくのが面白い。


「目」や「心」や「門」を使った漢字など、違和感もなく進んでいくストーリーに、そうかこんな漢字もあったかと驚くようなものも出てきて、読んでいて気持ちがいいし、なにより漢字の成り立ちって自分が知らないだけでもっともっと面白いんだなぁと思わせてくれます。


こんなになにげなく使っている漢字ですが、いい加減に作ってあるわけはもちろんなくて、こうやって人は文字を発明してきたのだなぁと、少し大げさなことも思うばかり。
(さ)