「花は泡、そこにいたって会いたいよ」( 初谷むい /書肆侃侃房 )
穂村弘のエッセイを読んだことがきっかけで短歌に興味を持ち、以来気になった歌人の歌集を読むようになりました。2年くらい前にSNSでものすごく評判になっている北海道の歌人がいると知り、帰省の際に買い求めたものです。
言葉の切り取り方や選び取る力、またそれを繋げる感覚と言えばよいのか、そこのセンスにすごく惹かれ、穂村弘や山田航の短歌に出会った時と同じものを感じとても衝撃を受けたのを覚えています。
短歌に詳しいわけではないので、もっぱら自分が好きかどうかでしか歌集を買ったり読んでみたりということはしないのですが、現代の歌人たちはある程度大人の年齢になってから短歌を始めた人が多いような印象があります。
色々な人生経験を経てきたからこそ生まれた歌なのだろうなと思うけど、もっと若い頃、例えば高校生や大学生の頃だとどういう短歌を作っていたのだろう、見てみたいと思うことがあるのですが、この著者は進行形で高校・大学とその時代時代にリアルタイムで短歌を作っていて、そこに触れることができた貴重な歌人でもあります。
これからいろんな経験を重ね、どのような作風になっていくのかとても楽しみです。
(き)
変なめがねやめてあなたは東京へ あのめがねもうかけないんですか